ご近所に鳴き声が漏れてトラブルになってしまう事例も
ペットの騒音の問題は全国で起こっています。飼い主が騒音に関して全く気にしていないケースもありますが、飼い主がペットの鳴き声には気づいているけれど対策が分からずに放置してしまっているという事もあるでしょう。ペットの騒音は飼い主の感覚と周囲の住民の感覚の差も問題となることが多いものです。
動物嫌いの人も世の中には存在します
動物が好きな人と、好きでも嫌いでもない人の感じる愛犬や愛猫の鳴き声の感じ方と動物が苦手な人、嫌いな人の感じ方が違う事も理解しておくとトラブルを未然に防ぐことができます。猫や犬といった動物が好きな人は鳴き声が出るのは当たり前だと考えやすいですが、嫌いな人からすれば鳴き声そのものすら気に入らないと感じる人もいます。
騒音問題は「音」に関するものなので、自分が快適に感じても、自分があまりうるさいと感じていなくても、他人からすれば非常に不快に感じることがあるというのが発端になることも多いものです。
音に対して一般的な感覚よりも敏感な人も存在
ペットを飼っているとどうしても愛情が沸きます。家族同然に生活しているので子供を育てるのと同じような感覚になると、多少の騒音が気にならなくなる傾向にあります。ペットと生活をしていると、走る音や物を落としてしまう音、鳴き声が生活の中にあるのは当然ですから飼い主は慣れてしまう傾向にあります。
更に家族同然なので多少のことは許すし、同じく他人も気にしないだろうという考えになりがちです。こうした考えは注意が必要です。世の中には音に対して敏感な人も存在するので中には一般的に問題にならない程度の音でも気になるということがあります。
騒音問題になりやすいのが就寝時が特に多い
日頃生活をしていると昼間は気にならない音も深夜になると気になってしまうということがあるでしょう。昼間は意識していなくても自動車の走る音など生活音が周囲に溶け込んでいます。無意識ですが周囲は無音ではないのです。
深夜に屋外で洗濯機を回したりしている世帯があると気づくといったことも、周囲の騒音が少なくなる事で耳につくからです。同じくペットの鳴き声も周囲の生活音が減る深夜に目立ちやすくなります。
働き方の多様性から昼間に就寝する人も存在
昼間は騒音が目立ちにくいですが昨今では仕事も多様化しているので、夜勤や交代制で働いている人の生活は、夜間に働いて早朝に帰宅をして寝るという生活をしている人もいます。こうした働き方をしている人からすれば、昼間が深夜と同じというケースもあることも意識しなくてはいけません。
過去の事件では、夜勤明けに自宅で寝ているときに隣の部屋から楽器の演奏がする、犬の鳴き声がするために寝る頃が出来ずにイライラして騒音を出している人に対して攻撃的になり、事件に発展してしまうという事例があります。ペットを飼う事で自然と慣れてくるので、近隣の人に対して騒音を出さないように考慮する意識はいつも持っておく必要があります。音に対する感じ方は人それぞれで過敏に反応する人もいるということです。
騒音を出さないためにできることは少なくない
ペットの騒音を気にしなければいけないのはペットが飼える環境である前提なことです。ペットを飼う事を禁じている物件では隠れて飼う事はしてはいけません。主にペットは犬、猫、鳥を対象としている事が多いですが、特に犬に関しては禁じている物件がほとんどです。
物件によってはウサギ、安全な爬虫類などは家主との交渉で許可が出る事はありますが、部屋に匂いをつけない、周囲に迷惑をかけない配慮は大事なことです。近隣の住民に不安を与える行為は気を付けないといけません。ペットで問題となるのは部屋の内装を傷つける、匂いを出してしまう、鳴き声で周囲に迷惑をかけることで、特に鳴き声はペット許可の住居でも気を付けたいものです。
部屋の中で鳴き声を抑え込む事が最重要
ペットの鳴き声に限らず、自動車の騒音や日曜大工の騒音など日ごろの生活で気になった事はあるはずです。音は室外で鳴らすと周囲に響きやすいものです。静かな屋外で深夜など静かな時に騒音をたてると100m以上遠くまで聞こえてしまう事もあります。周囲が静かな時間帯にペットの騒音に気づくということが多くなっています。
部屋の窓が開いている、庭で飼っていると周囲に鳴き声が漏れやすくなります。なので騒音対策の第一歩は部屋の窓を開けっぱなしにしないこと、庭やガレージなどにペットを出さないように注意しましょう。
2重窓か雨戸、シャッターで騒音をシャットアウト
屋内から屋外への騒音漏れを防止するのに有効なのが2重窓です。後付けできるものもあるので予算的に余裕があれば外に音が漏れる対策をすれば効果的です。シャッター、雨戸が付いていれば2重窓よりは劣りますが効果はあります。
2重窓、シャッターなど賃貸住宅だと改造をすることが難しいので防音カーテン、防音素材を使う事で室外への騒音漏れ効果が期待できます。防音カーテンはネット検索をすると多く出てくるので気軽に購入することができて一定の効果も期待でき、必要ない時にはカーテンを開けると明かりも取りこめるので自由度が高いでしょう。防音素材にはいろんなものがありますが、吸音材や吸音パットなどが販売されているので、窓に貼り付ける事で防音効果が期待できます。隙間なく貼り付ける事で効果が向上するので施工にコツがいるのと、窓に貼ってしまうと外光が遮断されてしまうので工夫が必要です。
室内の壁に吸音材を貼り付ける事で鳴き声を軽減
賃貸物件だと部屋の改造をすることが禁じられている事も多く、何より面倒なDIYをするのが苦手な人も多い事でしょう。室内の壁を処理することで効果が期待できるのが吸音材です。部屋の中で反射する鳴き声を吸収させて、室外や隣の部屋に鳴き声が響くのを軽減させる効果を期待できます。
加工吸音材なら貼り付けるだけで防音工事ができる
吸音をするのに素材を施工しようとするとかなりの重労働で専門的な知識も必要ですが、加工された防音マットやカットされた防音製品を使えば防音処理が素人でも簡単に行えます。四角にカットされた製品なら壁に両面テープで貼り付けて並べていくだけです。1重ではなく2重に重ねて壁に貼っていけば更に効果がアップします。
加工吸音材を天井、壁、床に貼り付けると更に効果倍増
ペットが生活する部屋を決めて、ペット部屋の天井から床まで全部防音製品を貼り付ければ更に鳴き声を封じ込める事ができます。防音は騒音の元になる鳴き声を部屋全体で封じ込める対策が効果を発揮します。防音対策で気を付けたいのが、遮音と吸音を使い分ける事で快適な環境を実現できて防音効果も高まる点です。
遮音と吸音の違いを考慮してペット騒音対策をする
遮音は音そのものを遮断する目的の素材です。遮音シートが有名で鉛のような重い素材で出来たシートです。非常に重いロール式で販売されていることがおおく、防音工事で愛用されています。吸音はレコーディングスタジオなどでは良く目にするスポンジタイプ、でこぼこした表面のものが多いですね。
綿のようなフワフワのものも吸音材として使われます。吸音材というくらいなので音を遮断するというよりも吸音して跳ね返る音を減らす効果が期待できます。キンキンした響きのする部屋に吸音材を配置すると耳障りな音が聴きやすくなったり、オーディオの世界では低音の出すぎ、高温の響き過ぎな部屋に配置して音場を調整するのにも役立っています。
壁に遮音シートを貼ってその上に吸音材を貼る
効果をアップするのに有効なのが壁に先に遮音シートを貼って、その上に吸音材を貼り付けるやりかたです。防音室を作るときにこの2種の組み合わせを使う事が多くなっていて、遮音材の特性と吸音材の特性を両方有効にすることでかなりの防音率を達成することができます。
効果を高くするには壁一面をしっかり覆うように貼り付けるようにします。隙間があったりすると効果が薄れるのでDIYとしては予算的にも施工する面倒さもありますが高い効果を狙うなら挑戦する価値はあるでしょう。天井、壁、床のほかに換気口からの音の漏れも起こりますが他に比較すると軽微です。気になる場合には換気口周辺に防音材を貼ったり、屋外の換気口に防音を施す事もできます。換気口周辺は難易度が高い事が多いので業者に依頼するほうが良いかもしれません。
狭いケージに入れるとストレスで病気になってしまうことも
ケージを防音化してしまう、防音用の小型ケージに入れるという方法もあります。室内全体に防音処置をするのは手間なので狭い範囲だけ防音対策するというやりかたもありますが、どうしても暗くなったり狭い場所に長時間閉じ込めてしまうので、騒音は防止できても愛犬や愛猫によってはストレスになってしまいます。
ケージを防音処置するときはできるだけ大きなものを使うようにしましょう。熱中症になりやすく、狭い場所に閉じ込められているという感覚にならないようにしましょう。
無駄吠えが体調やご飯などのストレスから出ているような場合には、しつけプラス というペットフードでストレスを軽減して無駄鳴きを減らそうという製品も出ているので活用しましょう。
業者に防音工事を依頼すると相場はどのくらい?
防音工事は専門家がいるので本気で防音を考えているなら専門業者に相談するのも良いです。窓を2重にしたりする窓防音は5万円程度から相談可能、壁は面積によって10万円程度から、床や天井も10万円程度からが多いです。1部屋全体を依頼すると50万円以上になる事も多いので比較的防音工事は高額になりがちです。防音処置を本格的に行うには、部屋全体を完璧に処理しようとするのでリフォームするくらいの料金がかかると思っておいたほうが良いです。
ペットの種類によって鳴き声の種類が違うので、小型犬の甲高くて細い声は比較的防音効果がでやすく、大型犬の遠吠えとか鳴き声は遠くに届きやすいようです。猫の鳴き声は細くて小さいので小型犬に近くなっていて防音効果は出やすいです。ペットの種類で音量や声質が違うので遠くに届きやすい声、大きな声だと本格的な防音が必要になります。なので防音にかける労力や費用も変わってきます。
飼い主さんはペットの騒音を管理する必要があります
私達飼い主が陥りやすいのが自分本位で考えてしまうことがある事です。家族同然の愛犬、愛猫達と生活していると自分優先で物事を考えてしまう事もあるかもしれません。世の中には動物が生理的に無理な人もいるし、近隣には音に敏感な人もいるかもしれません。多くの色んな人が生活をしている社会の中では誰しも人に迷惑をかけないようにしているものです。
そんな中で自分勝手に考えてしまうとペットが吠えたり、散歩中に問題を起こしたりして迷惑をかけてしまうかもしれません。大事な家族だからこそ平和な環境で一緒に生活が出来るよう考えたいですね。